多様性の時代と言われて早数年。総合探偵社MRの岡田さんによれば、恋愛の傾向はガツガツと恋を楽しむ肉食系と恋はしたくないけれど結婚はしたい草食系との二つに分かれているそう。
浮気なんて考えもしない草食系の旦那さんとの生活は、穏やかで平和かと思いきや、離婚へ向かうトラップが。今回教えていただいた、プロの探偵が目撃した男女問題は、マッチングアプリで出会った彼と結婚した女性のお話です。肩書きは完璧な彼だったけれど…。今回もアラサー世代が気をつけたいエピソードをお届けします。
教えてくれたのは…
MR探偵社 岡田真弓社長
2003年に総合探偵社、株式会社MRを設立。夫婦間の問題に心のケアが必要と考え、業界初のカウンセリング担当制度を導入し、業界で売り上げNo.1に。https://www.tantei-mr.co.jp/
スペックは完璧。しかし一切、手を出されることはなく…
依頼者は20代後半の女性。厳格な家に育ち、恋愛に奥手だったそうです。出会いがなかなかないこともあり、マッチングアプリに入会し結婚に向けてのパートナーを探すことに。何人かとやり取りをした中で付き合うことになったのは、きちんとした会社に勤める真面目な20代後半の男性。口数は少ないけれど、スペックは完璧! 学歴も高いし、清潔感があるし、服装だって悪くない。住んでいる家もいいマンションと申し分ありません。
ただ、交際が始まっても一向に手を出してこないことが気にはかかっていました。奥手なのか、自分のことを大切にしてくれているのか。とはいえ本当に好かれているのかわからない…「この人でいいのかな?」というモヤモヤを抱えながら結婚をしたそう。けれど、いざ結婚しても彼が彼女に手を出すことはなく…。さすがに浮気を疑った彼女から私たちに彼の浮気調査の依頼がありました。
調査しても女の影がない? 小型カメラを仕掛けてみると
「絶対に浮気してるんです」と語る彼女の依頼のもと、実際に調査に入ると、夫は日々会社と家を往復する生活。仕事はしっかりとしているし、稼ぎもいい。いつ調査をしても彼に女の影はありません。家になかなか帰ってこないという時もあるけれど、それも本当に残業している様子でした。
そこで、たびたび依頼者に家を空けてもらい、小型のカメラを付けて夫の様子を見ることになりました。結果わかったのは、依頼者が家にいない日の方が早く帰っているということ。そしてカメラには…彼がアダルトサイトを楽しんでいる様子が映っていました。妻には手を出さないけれど、性に興味がないわけではない…。でも自分のそういう姿を妻に見せることはできない。結局問題が解決しないまま、1年半ほどで離婚されました。この事案は、不倫や浮気とは違うものですが、最近よくある事例です。
マッチングアプリでの結婚に潜む落とし穴
最近定着したマッチングアプリ。「恋愛が苦手なわけではないけれど、仕事が忙しくて出会いがなかなかなくて…」という方もいらっしゃいますが、「奥手だけど結婚はしたい」という方も多いように見受けられます。どちらにしても、このような出会い方はお互いの普段の本当の姿を知ることが難しいからこそ、注意が必要です。
マッチングアプリに登録するほど結婚に前向きかというと本人はそうでもなく、ご両親や親戚などがお膳立てをしていることも。男性はもちろん、女性も、人とコミュニケーションをとるのが苦手という人が多いです。プロフィール写真はもちろん、お互い数回のデートであればその時だけ気合いを入れることはできるもの。いいイメージだけを相手に与えることができる。けれどいざ日常生活に戻れば本当の姿が出てきますし、それをお互いが少しずつ出し合って寄り添っていくのが結婚生活というものです。
この事案は夫が妻に手を出さないということが問題でしたが、妻が夫との性交渉を拒むことが原因で離婚に至るケースもたくさんあります。強く求めると実家に帰ってしまう…。そんな話もあるあるです。
マッチングアプリは良くも悪くも違う文化の人同士が出会える場。だからこそすれ違いは多くなりがちです。しっかりとお互いの弱さまで見せられる関係を築けるように努力をしましょう。それが二人の生活をより楽しくしてくれるはずです。
取材/棚田トモコ 編集/越知恭子