総選挙目前!今週末の10月27日は衆議院選挙です。急だったので、まだどの政党が良さそうか、誰に投票するかを決めかねている人もいるかもしれません。CLASSY.モデルとしてのお仕事だけでなく、報道番組などでも広く活躍しているトラウデン直美さんに、選挙や政治と私たちがどう関わっていけばいいのか、どうやったらそれを楽しめるのか、お話を聞いてきました。
「実際に演説を聞かないと知り得ないこともあるから、現場に足を運ぶのは面白い」
――トラちゃんが政治に興味を持ち始めたのは、いつ頃からですか?
元々、政治に対する興味はそこまで強くないんです。ただ、子どもの頃から両親が夜7時のニュースを見ながら、政治にまつわる対話をしていたので、生活の1ピースとして身近なものではありました。投票所にも連れて行ってもらっていて、選挙は行った方がいい、と教えられてきました。特に父は、政治について説明しながら、自分の意見も伝えてくれる人。情報を元に、自分の頭で考えて、対話することの重要性を教えてもらった環境に感謝しています。
――10月27日に放送されるTBS系衆議院議員総選挙特番『選挙の日2024~私たちの明日「変わる」~』の出演を控えています。街頭演説の取材にも行かれていますが、実際に足を運んでみていかがでしたか?
私は自民党の候補者について取材したのですが、同じ党でありながら、候補者によって演説内容や主張が異なっていて、興味深かったです。支持している人たちの年齢層が高い候補者もいれば、幅広い年齢層から支持されている候補者もいて、応援している人たちをリアルに知ることができるのも街頭演説の良さだな、と。言葉のチョイスや表現にカルチャーショックを受ける場面もありましたが、実際に演説を聞かないと知り得ないこともあるので、現場に足を運ぶのは面白いと思いました。
――普段、政治関連のニュースは、どこから得ていますか?
日経電子版と朝日新聞デジタルはチェックします。ニュースを映像で見たいときはYouTubeを使います。「大人の学び直しTV」や「社會部部長」は、大まかな政治関連の情報を押さえたいときや学び直しの際にチェックするチャンネルです。切り抜かれたショート動画よりも一連の流れを見て、その中で情報を取捨選択しています。
「一方的に発信するよりも、リアルに会って、政治や選挙について話せる方がベター」
――報道番組のお仕事では、政治について話す機会も多いと思います。その中で意識していることはありますか?
特定のトピックについて話す際は、必ず反対意見もリサーチします。大学が政治学科だったので、先生も学生も様々な考え方の人がいました。とにかく自民党に詳しい友人がいたり、マルクスを読んでいる人がいたり。その中で自分と異なる考えに触れて驚くこともありましたが、反対意見の人たちの話を聞くと、想像していなかったことも教えてくれて、気づきがあって面白かった。情報をフラットに得るためには、反対側の意見を見たり聞いたりすることも大切。もちろんそれですべてが分かるわけではないですが、自分の考え方がどのあたりに位置しているか、偏っているかいないかを知るきっかけにもなると思います。
――政治や選挙について考えるときに、大事にしたいと思うのはどんなことですか?
自分の意見を発信することも大事ですが、思っていたものとは違う形で伝わってしまうことが多いのも事実。一方的に発信するよりも、誰かとリアルに会って、政治や選挙について話せる方がベターだと思っています。どうしても近い属性の人が集まりやすいから、周りと似た意見になりがちですが、その中でも自分の理想や「こういう世の中になったらいいな」という話を躊躇せずにできる環境があるといいですよね。テレビやネットで情報収集することも重要だけど、やっぱり対話が不可欠。対話は喧嘩ではないから、言い争う必要はないし、違う意見があって当たり前。むしろ、反対意見が共存していた方が建設的だし、安心感もあると思います。
――選挙や政治を自分ごととして捉えることで、変わったことはありますか?
世の中に不満が出てきたときに、そのことについて調べたり、知識を得ようとせずにいると、気づかないうちに自分が望んでいない方向に進んでいた、という事態にもなりかねないと思っています。不満に思う前に「より自分ごととして考えたかな?」と自分自身に問う感覚は常に持っていたいです。それをしないと、自分の思い描くものを正しく伝えることもできないな、と。でも正直なことをいうと、社会問題を解決するにあたり、何が正解なのか分からない部分もあるんです。例えば、賃金問題も人口減少問題も、どう解決していくのがベストなのか。最近は、正解が分からない中でも、いろんな方向からシミュレーションしたり想像したりして、別の可能性を模索することが大事なのかも、と考えています。自分はどう生きていきたいのか、流されるままでいいのか、それとも自分ができる範囲で変えてみたら、バタフライエフェクトにならないかな、とか。希望を持ちにくい世の中だからこそ、ちょっと壮大に向き合う部分があってもいいかもと考えるようになりました。
次の記事では、同じくCLASSY.モデルの藤井サチさんと二人での対談です!お楽しみに。
【着用クレジット】ニット¥14,000(バナナ・リパブリック)ピアス¥42,900(マリハ)スカート(私物)
撮影/水野美隆 ヘアメーク/日高 咲(ilumini.) スタイリング/児嶋里美 取材/坂本結香 編集/永吉徳子